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内視鏡手術用支援機器加算とは?2026年新設のロボット加算15,000点の要件と診療科横断管理の実務

内視鏡手術用支援機器加算とは?2026年新設のロボット加算15,000点の要件と診療科横断管理の実務

2026年新設:ロボット手術に一律15,000点の加算

2026年度診療報酬改定で新設された内視鏡手術用支援機器加算は、ロボット支援下で特定の手術を実施した場合に、手術点数に加えて一律15,000点(15万円)を加算できる制度です。

これまでロボット支援手術(ダヴィンチ等)については、各術式のKコードそのものに「内視鏡手術用支援機器を用いる場合」として加算が組み込まれている形が標準でした。今回の改定では、それに加えて「年間200例以上のロボット手術を実施している高度実績施設」に対し、施設横断的に上乗せする加算が新設されました。

制度の背景にあるのは「医療機器の集約化」の方針です。高額なロボット手術機器(ダヴィンチ1台の導入費用は数億円)を各病院が個別に保有するのではなく、多症例を実施できる施設に機器と症例を集約し、機器の効率的活用と手術の質向上を両立させる意図があります。

加算の基本情報

項目

内容

加算名

内視鏡手術用支援機器加算

点数

15,000点(1手術につき)

算定タイミング

対象手術を実施した1回ごと

施行日

令和8年6月1日

新設・既存

2026年度改定で新設

15,000点 = 150,000円は、手術収益に直接加算される金額です。仮に年間200件算定できれば、それだけで年間3,000万円の増収になります。

対象となる手術一覧(診療科別)

対象手術は、既に「内視鏡手術用支援機器を用いる場合」として保険収載されているロボット支援術式のうち、特定のKコードに限定されています。全25術式(算定要件記載のKコード)を診療科別に整理します。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

手術名

Kコード

鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K374-2

鏡視下喉頭悪性腫瘍手術

K394-2

呼吸器外科・胸部外科

手術名

Kコード

胸腔鏡下拡大胸腺摘出術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K502-5

胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K504-2

胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術・区域切除(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K514-2の2

胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術・肺葉切除等(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K514-2の3

食道外科

手術名

Kコード

胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K529-2

縦隔鏡下食道悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K529-3

心臓血管外科

手術名

Kコード

胸腔鏡下弁形成術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K554-2

胸腔鏡下弁置換術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K555-3

消化器外科

手術名

Kコード

腹腔鏡下胃切除術・悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K655-2の3

腹腔鏡下噴門側胃切除術・悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K655-5の3

腹腔鏡下胃全摘術・悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K657-2の4

腹腔鏡下総胆管拡張症手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K674-2

腹腔鏡下肝切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K695-2

腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K702-2

腹腔鏡下膵頭部腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K703-2

腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K719-3

腹腔鏡下直腸切除・切断術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K740-2

泌尿器科

手術名

Kコード

腹腔鏡下副腎髄質腫瘍摘出術・褐色細胞腫(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K755-2

腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K773-5

腹腔鏡下尿管悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K773-6

腹腔鏡下腎盂形成手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K778-2

腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K803-2

産婦人科

手術名

Kコード

腹腔鏡下仙骨腟固定術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K865-2

腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術・子宮体がん(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)

K879-2

耳鼻咽喉科・呼吸器外科・食道・心臓血管・消化器・泌尿器・産婦人科と、7診療科にわたる幅広い術式が対象です。

施設基準の要件

(1)年間200例以上の実績(最重要要件)

上記対象手術を全診療科合算で年間200例以上実施していることが必要です。

ここが最も重要かつ実務上のハードルになるポイントです。特定の1診療科が200例を超えている必要はなく、泌尿器科・消化器外科・産婦人科・呼吸器外科など複数診療科の実績を合計して200例を達成すれば要件を満たします。

(2)麻酔科の標榜

麻酔科を標榜している病院であること。

(3)常勤麻酔科標榜医の配置

常勤の麻酔科標榜医(厚生労働大臣の許可を受けた者)が配置されていること。

(4)緊急手術対応体制

緊急手術が可能な体制を有していること。

(5)常勤臨床工学技士1名以上

常勤の臨床工学技士が1名以上配置されていること。

(6)機器の保守管理計画

内視鏡手術用支援機器について、保守管理の計画を作成し、適切に保守管理されていること。

(7)学会レジストリへの参加

内視鏡手術用支援機器を用いた手術について、関連学会が行うレジストリにおける手術患者の長期予後情報の収集に参加していること。

(8)前年実績のウェブサイト掲載

内視鏡手術用支援機器を用いた手術の前年の実績(症例数・平均在院日数)をウェブサイトに掲載していること。

経過措置:令和9年5月31日までの間は(8)を満たしているものとみなす。

実務上の壁:「年間200例の全診療科合算」

この加算の最大の特徴は、施設基準(1)の「年間200例以上」が全診療科合算である点です。

これが実務上どれほど難しいか、現状の病院の運用と照らし合わせて考えると明確になります。

現状の問題:診療科ごとの縦割り管理

多くの病院では、手術予定の管理は診療科単位で行われています。消化器外科は消化器外科の台帳、泌尿器科は泌尿器科の台帳、というように、診療科を横断した一覧管理は行われていないことがほとんどです。

「今年度のロボット手術件数は病院全体で何件になる見込みか」という問いに即座に答えられる病院は、現状ではほぼ存在しないと言っても過言ではありません。手術申込・麻酔記録・各診療科の手術台帳を掻き集めて手作業で集計する、というのが現実です。

届出・更新に必要なデータ管理体制

この加算の届出・更新に際して、以下のデータを一元的に把握・提出できる体制が必要です。

  • 対象25術式(Kコード別)の年間件数
  • 術式別・診療科別の内訳
  • ウェブサイト掲載用の年間症例数と平均在院日数
  • レジストリ参加の証明(学会登録番号等)

手術室の手術記録から対象Kコードを抽出し、診療科・術式・件数を集計する仕組みがなければ、届出前に「自院が200例を超えているか」すら確認できません。

200例に「届きそうな病院」こそ今すぐ動くべき理由

年間200例という要件は、ロボット手術に積極的な中核病院では手が届く数字です。例えば以下のような組み合わせで200例に達します。

  • 泌尿器科(前立腺・腎・膀胱癌):80件
  • 消化器外科(胃・結腸・直腸・肝・膵):70件
  • 産婦人科(子宮体癌・仙骨腟固定):30件
  • 呼吸器外科(肺悪性腫瘍):20件
  • 合計200件

ただし、現状では「合計で何件か」が把握できていない病院が多いため、すでに200件を超えているにもかかわらず届出できていない、または届出準備に時間がかかって加算算定の開始が遅れる、という事態が起きています。

1件15,000点の加算が年間200件なら年間3,000万円。把握が遅れるほど機会損失が積み上がります。

医事課が押さえるべき実務フロー

Step 1:自施設の現状件数の把握(最優先)

手術室部門・各診療科の手術台帳・電子カルテの手術記録から、直近12か月の対象Kコード別件数を集計します。「200例超え」か「届かないか」かを判断するためのデータが最初の一歩です。

Step 2:対象術式の確認と医師への周知

25術式のKコードをリスト化し、各診療科の担当医師に「対象術式として算定できること」を周知します。術式名の呼称がKコードの名称と異なる場合もあるため(例:「ダヴィンチ」という名称でオーダーされているが実際にはK719-3等)、手術記録のKコード管理が正確に行われているか確認が必要です。

Step 3:施設基準の要件確認

(2)〜(6)の体制要件(麻酔科標榜、臨床工学技士配置、保守管理計画等)は比較的クリアしやすい要件ですが、(7)のレジストリ参加の状況は各診療科・学会の担当者に確認が必要です。

Step 4:ウェブサイト掲載の準備(経過措置期間中に)

(8)の経過措置(令和9年5月31日まで猶予)を活用しつつ、前年度実績の掲載体制を整えます。

Step 5:届出

地方厚生(支)局長に施設基準の届出書を提出。届出月の翌月から算定開始が可能です。

OpeOneシリーズが解決する「診療科横断の手術実績管理」

内視鏡手術用支援機器加算の要件を満たすための最大のボトルネックは、前述のとおり「全診療科合算での年間件数把握」です。

OpeOneシリーズは、外科系チーム医療に特化した手術予定・実績管理システムです。診療科を横断して手術予定・実績を一元管理する設計になっており、この課題に直接対応できます。

OpeOne製品ページ:https://guide.opeone.com/

OpeOneで実現できること

  • 術式(Kコード)・診療科・術者別の手術実績を一元管理:分散していた各診療科の手術台帳を統合し、病院全体の実績をリアルタイムで把握
  • 対象Kコードの年間件数を集計:「今月時点で対象術式は累計何件か」「年間200例まであと何件か」を随時確認
  • ウェブサイト掲載用データの出力:術式別件数・平均在院日数等の集計データを出力

また、内視鏡手術用支援機器加算だけでなく、外科医療確保特別加算の「年間200例以上の長時間高難度手術」の管理、緊急手術加算1の手術時刻管理など、2026年改定の複数の手術関連加算をまとめて管理できます。

→ 診療科横断の手術実績管理・届出準備についてのお問い合わせ・デモはこちらのお問い合わせフォームからお願いします。

まとめ

内視鏡手術用支援機器加算は、2026年改定で新設されたロボット支援手術への施設横断型加算で、1件あたり15,000点という高い収益インパクトがあります。

算定要件は「全診療科合算で年間200例以上の対象ロボット手術」が核心です。対象は耳鼻咽喉科から産婦人科まで7診療科・25術式と広く、複数診療科の合算で200例に届く病院は相当数存在します。

実務上の最大の課題は「現状では診療科横断の手術実績を一元管理している病院がほとんどない」という点です。先に実績集計の体制を整え、自施設が要件を満たしているかを確認することが届出準備の第一歩です。

経過措置(ウェブサイト掲載の猶予)が令和9年5月31日まであることを逆算すると、今から準備を始めれば2026年6月の加算開始に間に合わせることは十分可能です。


加算ナビWebinarの御案内

日時

2026年4月13日 16時-
2026年4月15日 16時-
2026年4月17日 16時-

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概要

2026年診療報酬改定における手術に関わる診療報酬加算制を解説します。

【関連する加算】

「処置及び手術の休日・時間外・深夜加算1」
「内視鏡手術用支援機器加算」
「外科医療確保特別加算」
「地域医療体制確保加算2」

【登壇者】

  • ささがさん(@sasaga012):診療報酬改定に精通したX人気投稿者
  • 大谷隼一(株式会社クオトミー代表取締役・整形外科医)

【内容】

  • 2026年改定の手術
  • 医師への手当・チーム制について
  • 必要な要件・仕組みづくり
  • 参加者Q&A

参加者全員に収録動画URLをプレゼントします。

主催:株式会社クオトミー(OpeOne運営会社)

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